前回、とりあえず神さまがおられそうな場所を巡ってみましょうよ、という話をしまして、その手掛かりとして神さまの系図があるのだというお話に触れました。
そうはいっても、そんな系図わからないよ、自分の氏神さまをはっきりしないという方のほうが多いかと思います。
ですので、もう一つの手がかりから、神さま巡りを始めてみるというのはどうでしょう。
もう一つの手がかりは、いわゆる神社など、神さまがおられる(座られる)と言われている場所を、ちゃんと今なお神さまが座っておられる場所であるかどうかをみながら、巡ってみましょうという話です。
神社というものは、昔、人が建立したもの。その由来や祀っている神さまとの関係はおいおい考えていくとして、人はおそらくなんらかの理由で、神社をその場所に建てたのです。
中には意味のない場所に建っているものもあったりしますが(ビルを建ててご利益あるように、なんてビルの屋上に建てているなんてのもありますよね)、それでも多くの場合、何かの大いなる力を感じた人が、神さまに座っていただく場所としてそこに神社を建立したのです。
最近はかわいい御朱印帳など用意してくれている神社などもありますが、御朱印がかわいいかどうかは置いておいて、奥宮のある神社をお参りするなどはいかがでしょうか?
奥宮というのは、本体の神さまはお山なのですが(前回のお話をここつながります)、その山頂やその近くにの上に人の参拝する場所として建立されている場所です。で、なかなかそこまで人はうかがえないので、神さまの降りてきていただける場所に拝むことのできる神社(本宮)を建立されているのです。今や、たいてい本宮のほうが有名ですが、むしろその本体に近いところになるお宮さんということになります。
本宮は、たいてい山の麓にあるか、山からエネルギーが通る場所に建立されている場合が多いものです。
そして、そうした山麓や地域までなかなか行けない場合に、その分詞として街中に創ったとされる神社もあります。
こうしたつながりは、神社に祀られている神さまでもたどることができるかもしれませんが、往々にして日本書紀や古事記にでてくる神さまを祀るという建前で、神社の勢力争いの具として祀られている神さま少なくないと言います。(諸説あります)。そのような場合は、正しいつながりではない、むしろ人の欲で満たされていて、たいていは神さまに見放されている、立ち寄ることのない神社である場合があると考えています。
なので、その神社のルーツをいろいろ歴史も含めて、調べてみるといいかもしれません。
幸い、今は、Google大先生などもおられ調べやすいことから、霊峰と呼ばれる山に由来する神社からたどっていくと、なんらか共通する記載や由来のある神社が結構みつかります。
山の神さまに由来する神社の中には、山の神が姿や呼び名を変えて祀られ、その別の呼び名のもとに他の地域に分祀されている神社などがあります。
たとえば、日吉大社という神社が滋賀県の大津市坂本にありますが、西本宮は大己貴神(大国主神に同じ)が祀られていて、東本宮には大山咋神が祀られています。
文献では、『古事記』に「大山咋神、亦の名を山末之大主神。此の神は近淡海国の日枝の山に坐し」とあり、日枝の山(ひえのやま)とは後に比叡山と称される山のことだとされています。日吉大社は、崇神天皇7年に日枝山の山頂から現在の地に移されたとされ、日吉神社と称する神社は全国に約3,800社あるのだそうです。
つまり、日吉大社の本体は背後にある霊峰比叡山で、人が参拝できる場所として麓に創られ、そして日吉神社は全国に展開しているのです。
もし、御朱印帳を集めるにしても、そんなことを考えながら巡ってみたら、少し感じ方もかわるかもしれません。
神社に参拝したときの作法や、その意味などについては、またどこかであらためて考えてみたいと思います。
By 天地人∞研究所 地の章